鳳来寺山の麓に佇む旧門谷小学校。
色彩豊かな自然環境の中で作品を鑑賞し、
ワークショップ、トークイベント等の体験を通し、
さまざまな「言葉」を見つける5日間。


主催:門谷小展覧会運営委員会
協賛:、株式会社スエヒロ産業、三信鉱工株式会社、、株式会社はづ、穂の国森林探偵事務所、Guest&Cafe House !Hoo!Hoo、丸山荘鳳来寺山頂店、そば処 茶禅一、ドイツパンの店 ベッケライ ミンデン
後援:新城市、新城市教育委員会、東栄町、設楽町、豊根村

NEWS

・2025.06.27更新:2025年の展覧会は10月10日(金)ー14日(火)の5日間、短期のイベントとして開催いたします。詳細につきましては、おってお知らせいたします。

・2024.08.11更新:2024年の展覧会はお休みいたします。2025年秋再開予定となります。

・2023.09.29更新:ナイトビューイングは予定通り開催します。

・インスタグラム@art_in_houraijisanrokuを開設しました。

STATEMENT

緑が映える山、川が分かれる崖、水が溢れる皿、膝が笑う丘、顔が引きつる大人、目尻が下がる子供、言葉が走る人、花が開く男性、雪が降る新潟、新幹線が通る道、味噌が売れる時代、水が切れる包丁、屋根が吹き飛ぶ家、風呂がある小屋、縁が取り持つ社会。

日本語であったり漢字を扱う人であれば、何となくそこにイメージ(情景)が湧いてきそうなものですが、実のところよく分からないものばかりです。
掲げたタイトルもまた然り。
開かれるのは「山」?それとも「言葉」?
そもそも「山が開く」も「言葉が開く」も抽象的で、情景が浮かびづらいものです。
もっとそもそも、「山」一つとっても、そこに喚起されるイメージは曖昧で多様で、個や時代に大きく左右されるのではないでしょうか。
近年では山=キャンプや焚き火を思い起こす人も多いかもしれませんし、ハイキング(歩く場所)や霊場(祈る場所)との結びつき、絵画や写真などのように、美しさを眺めるあり方を想像する人もいることでしょう。林業に携わる方々からすれば、そこには一本一本の樹木(木材)が生えていて、より物質的な見え方をしているかもしれません。

何と曖昧な、と思えてしまいますが、言葉を巡る解釈では、よくあることのようにも思い返されます。

2014年に旧門谷小学校を活用して展覧会を開催し、そこから年に1度欠かさず10回続けてきました。
2024年は一度お休みしましたが、この継続を簡単に表すと、「山で美術」ということに尽きるのかもしれません。
的を得ているかどうかは別として、誰もがイメージしやすい、優しい言葉と言えるのではないでしょうか。

ただし、この「山で美術」は、決して優しいものではありませんでした。
そこでは、作品が作品であることが担保されません。
古びた木の床や壁や窓枠は作品が映える仕様にはなっていませんし、ご来場者もまた美術を愛する方々ばかりとは限りません。
そして何より、辿り着くのにも一苦労。
そう、作品にとっても作り手にとっても優しくない、というわけです。
ただ、「山」が多様であるように、だからこそ「美術」もまた多様であるかもしれないことを意識できる土壌が、そこにはあったのではないだろうか、と私は考えています。
美術を美術の場所で美術の言語や常識の中だけで突き詰めていても、出てくる答えは限られているように思われます。

本来、山には道がありません。キャンプ場もなければ、杉林もありません。
けれど、山は確かにそこにあります。
2023年、「情報とその質量」をテーマに、旧門谷小学校にて「そこに山があるという嘘」と題した展覧会を開催しました。
「そこに山があるんだ」と誰かから発せられた「言葉」のうちに、どの程度の真偽と手に取れる質量を感じ取れるかは、受け取る側の問題でもあり、不確かなものです。
ただ、目の前に確かにある山について、長い時間の中で形成されてきたその存在を、「嘘」と呼ぶことは、なかなか難しいのではないでしょうか。
私たちは山をよく見て、よく知って、様々な角度から文化や産業をつくりあげてきました。
発する、その捉えどころのない言葉の数々を拾い上げ、自分たちの生活に生かしてきました。
このことは、表現の話にも結びつくように感じています。
既にある言葉の中には、もちろん大切なものがたくさん詰まっていますが、よく分からない言葉や音や声の中には、それを拾い上げる意義のあるものがまだまだ隠れているように思います。
どんな声に、どんな風に耳を傾けるのか。それは、また別の「表現=言葉」を生む原動力になり得るのではないかと。

言うに及ばず、旧門谷小学校はもともと、「学校」、「学びの場」でした。
しかし、今はもう先生も生徒もいません。
けれども、その関係性がないからこその、相互の柔軟な「学び」が可能なのかもしれません。
この10年という時間には、「山で美術」と名付けるだけでは事足りない、様々なことが含まれていることでしょう。
旧門谷小学校でしてきたこと自体、多様で曖昧でありながら、10年という時間の中で蓄積されてきた「山」のようなもの、と言い換えることもできます。
もちろん、「学びの場」としてのこの場所(門谷小学校)の時間の蓄積も、また別の「山」を形成しており、それらは目に見える見えないに関わらず、確かにそこにあるわけです。
この10年を顧みる中で、作品やこの場所を体験する中で、互いに言葉を交わす中で、捉えどころのない言葉の数々に耳を傾ける中で、新たな「学び」というのは、立場や役割に関係なく育まれていくものではないでしょうか。
良い「学び」によって生まれた「言葉の集積」は、「山」に適度な輪郭を与え、また新たな「言葉」を生み出してくれることでしょう。
もちろん、先生はいなくても、ものごとに詳しい人は必要かもしれません。ただ、そこでは、全ての人が等しく参加者として。



鈴木 孝幸

ARTIST

鈴木 孝幸

Takayuki Suzuki


1982 年愛知県南設楽郡鳳来町(現新城市)生まれ。身体との関わりを中心とした様々な接触 を通して周囲の事物を捉え、対象の新たな側面を引き出す彫刻作品に取り組む。2014 年よ り、旧門谷小学校を会場とした展覧会を企画運営。


大和由佳

Yuka Yamato


1978 年愛知県生まれ、埼玉県在住。「人間が立つ場所とその営み」「消えゆく文字や声、意 志」に関心を持ち、映像、インスタレーション、写真、パフォーマンスなどを制作。近年 では「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ 2024」に参加。


FACILITATOR

山口 貴子

Takako Yamaguchi


1978 年岐阜県出身。キュレーター、アーティスト、コーディネーターとして、地域の成り立ちや、他者との関係性に焦点を当てた企画やリサーチを実践。主に福島県と群馬県 でアーティスト・イン・レジデンスや展示やイベントの企画、運営に携わる。


山川 愛

Ai Yamakawa


1976年愛知県生まれ。金沢美術工芸大学卒業。かすがい市民文化財団プロデューサー。同財団では展覧会や演劇公演の企画・広報、昨今は自分史を始めとした市民協働事業を担当。2021年より亡き祖父から鳳来町の山や農地を相続、何ができるか模索している。


GUEST SPEAKER

山下 修市

Shuichi Yamashita 製材業


1950 年愛知県南設楽郡鳳来寺村(現新城市)門谷地区生まれ。製材業の傍ら、旧門谷小学校 の管理を続ける。近隣住民とともに立ち上げた「森林真剣隊」の活動を通し、長期的視野 をもって地元の「山」の問題に取り組んでいる。


佐塚 真啓

Masahiro Satsuka 美術家


1985 年静岡県生まれ。2009 年武蔵野美術大学卒業。2011 年青梅市に移住。2012 年友人と 共に「国立奥多摩美術館」を企画。2018年から「株式会社佐塚商事 奥多摩美術研究所」 を主宰。2025 年「絵かきの里計画」進行中。


拝戸 雅彦

Masahiko Haito キュレーター


1964 年愛知県生まれ。あいちトリエンナーレ 2016 チーフキュレーター。2021 年〜2023 年 愛知県美術館館長。専門はイタリアルネサンス美術で、愛知県美術館の学芸員時代に担当 した展覧会に「イタリア美術1945-1995 見えるもの見えないもの」など。


EVENT

会期中のイベント


1. 10/11(土) 13:30〜16:00

ワークショップ「水ってどんな」
講師 | 鈴木孝幸(出展作家)

第1部 「水を運ぶ -門谷から豊川へ」
旧門谷小学校の脇を流れる音為川。豊川を経て、遠く三河湾へと注ぐこの川に、参加者が 協力して水を流し、遠く離れた海へと水を運びます。体験を通して、水を知り、土地の成 り立ちを学びます。

第2部 「水を扱う -カッチカチの彫刻をつくろう」
第1部の体験を経て、「水を流す」ことにより彫刻作品を制作します。セメント、砂、水 を混ぜたものを型枠に流し入れ、彫刻作品を制作します。
※セメントの特性上、硬化するのに 1 週間ほど要するため、作品のお渡しは後日となります。宅配をご希望の方は、別途送料 1,000 円を申し受けます。(当日のお支払い)


2. 10/12(日) 10:00〜11:00

トークイベント1「山のこと、門谷のこと」
登壇者 | 山下修市(製材業)、鈴木孝幸(出展作家)
ファシリテーター | 山川愛
山や木を見ることは、土地や歴史を知ること。製材所の軒下で、小学校の片隅で、山川愛 さんと鈴木孝幸さんが聞いてきた、時間と空間を超える「山下さんの山話」を、みなさん に開きます。


3. 10/12(日) 13:00〜14:30

トークイベント2「アーティストが場を切り開くこと -山と川」
登壇者 | 佐塚真啓(美術家)、鈴木孝幸(出展作家)
ファシリテーター | 山口貴子(キュレーター)
多摩川において、ラフティングとアートをかけ合わせた催し「芸術激流」を開催する美術 家の佐塚真啓さんをお招きし、「芸術と場所」をテーマに出展作家の鈴木孝幸さんとのト ークを開催します。


4. 10/12(日) 15:00〜16:30

トークイベント3「この際、拝戸さんに聞いてしまおう」
登壇者 | 拝戸雅彦(キュレーター)、鈴木孝幸(出展作家)、山口貴子(キュレーター)、大和由佳(出展作家)
国際芸術祭や美術館など、長らく美術の「現場」で活躍されてきた拝戸雅彦さん。この展 覧会企画に関わる 3 名からは、聞いてみたいことが「山」ほどあるようです。ぜひこの機 会に、登壇者のみならず、参加者みんなで対話しながら学んでみましょう。


5. 10/13(月・祝) 10:00〜11:30

鑑賞イベント「門谷散策からのびじゅつ」
ガイド | 鈴木孝幸(出展作家)、ほか
旧門谷小学校周辺を散策し、そのまま会場の作品を鑑賞します。門谷地区の自然やその歴 史の中に、作家は何を見て、何を感じているのか。周囲の環境を楽しむとともに、自由な 鑑賞へと誘います。
※歩きやすい靴でご参加ください。

6. 10/13(月・祝) 14:00〜15:30

アーティストトーク「コーヒーでも飲みながら」
登壇者 | 鈴木孝幸(出展作家)、大和由佳(出展作家)
2名の出展作家とともに、軽食を口にしながら、作品について語り合う時間。出展作品に ついての解説はもちろん、他の参加者とともに対話のできる貴重な機会となります。
※当日、「緑のパッサージュ」による軽食をご用意しております。注文無しでもイベント にはご参加になれますが、必要な方は下記フォームよりご注文をお願いします。



各イベントは全て参加費無料で、予約無しでご参加になれますが、催しによっては席に限 りのある場合もございます。下記申込みフォームよりご予約をお勧めいたします

※10/11(土)ワークショップにおける作品宅配料、10/13(月・祝)アーティストトークにお ける軽食は有料となります。


予約フォームはこちら

ACCESS

  • 旧門谷小学校

    愛知県新城市門谷字宮下26 番地


    交通案内

    ◇車

    【新東名高速新城I.Cより】

    国道151号を約4km、長篠交差点を左折、県道32号を約7km、「鳳来寺」バス停脇の笠川駐車場より、鳳来寺山登山道方面へ徒歩5分

    【新東名高速浜松いなさI.Cより】

    国道257号を約13km、長篠交差点を右折、県道32号を約7km、「鳳来寺」バス停脇の笠川駐車場より、鳳来寺山登山道方面へ徒歩5分


    ◇電車・バス

    JR飯田線「本長篠駅」より徒歩1分の豊橋鉄道バスターミナルより「田口」行き乗車、「鳳来寺」バス停下車、鳳来寺山登山道方面へ徒歩5分

    ※バスの本数は非常に少なくなっておりますので、ご注意下さい

CONTACT

主催:門谷小展覧会運営委員会

お問い合わせ: info@kadoya-art.com