CONCEPT

「この辺りにも寺があった」 元日に鳳来寺山に登った時に父から発せられた一言。随分前から何も変わらない場所と感じていたその場所の大きな変化を想像し、大変驚い たことを覚えています。表参道の石段沿いにはいくつもの建物があり、僧の出入りも多く、現在とは全く違った状況だったようです。私の生 まれるより前からそこを登っていた人たちにしか見えてこない、時間の流れの中で把握される、一つの場所の姿です。

樹齢400年の傘杉、徳川家綱の時代に完成したという鳳来寺山東照宮。この土地には長く長く人々によって守られ、大切にされてきたものが たくさんあります。木造のまま残された旧門谷小学校もまた、その本来の役目を終えているとは言え、周囲から大切にされている場所の一つ と言えるでしょう。そこには、長い期間で物事を考える習慣、今自分達のしていることを未来へとつなげていく、強い意思を感じます。

昨今、美術品の保存と修復についての議論をよく耳にします。20世紀に美術を取り巻く状況は劇的に変化し、その多様性は21世紀に入っても 変わることはありません。その変化の中で、多くのアーティストにより様々な作品が世に残され、表現の世界は拡張していきました。それらの うちの一部は美術館の所蔵作品となるなど、後世の人々も鑑賞することのできる20世紀以降の作品も多く存在します。しかし、アーティスト達 が表現の拡張の結果として選んだ媒体は、物質としては弱く、長く持たないことが問題化し始めたということでしょう。作品の物質としての 劣化が始まっているというのです。一方で、そこに永続性を求めない、という意思の表れが存在する場合があることもまた事実です。展覧会 のために設置され、終われば形として残るものは存在しない。そのような作品は今や珍しくはありません。今その時だからできること、短い 時間であるからこそ成立する、またはその短命さ自体に意味を求める。そのような作品は保存と修復の議論とは距離を置いている、とも言える でしょう。

表現の岐路。
アーティストは社会の中でどのような道を選択していくのでしょうか。

何か世の中にものを残すということは、それを大切にするということであり、周辺にはりつく様々なものも一緒に残すということになります。
お寺で言えば参拝の作法など、作品で言えばコンセプトなど、でしょうか。それらは時代の中で変化についていけず、劣化していくこともあ ります。また、守ることにとらわれるがために、時の変化から取り残されてしまうこともあるでしょう。ただ、残されている以上、時間を超 えて多くの人との関わりが生まれることもまた、間違いはありません。 反対に、残すことを想定せず短い時間の中でのみ存在するものは、物理的な劣化に悩まされることなく、時の変化から取り残されることもな いでしょう。しかし、それらは存在の短さ故に、観る人を限定することとなります。表現は、それを受け取る人がいて成立します。どのよう な受け取り手を想定するのか。どのような時間の中で作品を制作するのか。その選択は、そのまま未来の変化へとつながっていきます。

鳳来寺山も旧門谷小学校もまた、いくつかの岐路を経て現在があります。旧門谷小学校でアーティストの今(作品)やその建物を観ること。
鳳来寺山の表参道を進み、その時間を感じること。この場所へ足を運び様々なものに触れるとき、多くの異なる時間に思いをはせることがで きるでしょう。ここには今生まれたばかりのものから、長い時間大切にされてきたもの、はかなく変化していく自然まで、様々なものがあり ます。それらは、所有について何かを教えてくれるように思います。

鈴木 孝幸

ARTISTS

織田 真二

Shinji Oda

1981 岡山県生まれ、愛知県育ち

2009 愛知県立芸術大学大学院美術研究科油画・版画領域 修了


主な個展

2017 「個展」 / GALLERY MIKAWAYA(愛知)

2016 「個展」 / GALLERY MIKAWAYA(愛知)


主なグループ展

2017 「第12回大黒屋現代アート公募展」 / 板室温泉大黒屋(栃木)

2016 「都市木ギャラリー」 / 長者町会場(愛知)

2015 

「Pre-open exhibition」 / GALLERY MIKAWAYA(愛知)

「亀崎せこみち展2015」 / 愛知県半田市亀崎町一帯(愛知)

「繋留2」 / 愛知県立芸術大学サテライトギャラリー(愛知)

「美濃加茂Annual 2015」 / みのかも文化の森野外敷地内(岐阜)

2014 「亀崎せこみち展2014」 / 愛知県半田市亀崎町一帯(愛知)

2013

 「繋留」 / 豊田市美術館市民ギャラリー9(愛知)

 「かめざき小路てん 2013」 / 愛知県半田市亀崎町一帯(愛知)

 「HAP at altien」 / 太田川駅前 暮らしの広場:aitien(愛知)

 「文化の森ギャラリー 2013」 / みのかも文化の森敷地内野外(岐阜)

鈴木淳夫

Atsuo Suzuki

1977 愛知県生まれ

2001 静岡大学大学院教育学研究科 修了


主な個展

2017

「彫る絵画」 / マリーギャラリー(東京)(’16、’14、’13、’12、’11)

「彫る絵画」 / ギャラリーコヅカ(愛知)(〜2003)

2010 喫茶フォルム(愛知)(’05、’03)

2006 豊田市美術館ギャラリー 展示室9(愛知)


主なグループ展

2015

 

「現代美術」展 / ギャラリーサンセリテ(愛知)

「豊穣なるもの−現代美術in豊川」 / 桜ヶ丘ミュージアム(愛知)

「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」 / (静岡)(’14、’13、’12)

2014 「静岡の系譜–80年代から現代まで」 / gallery udonosu(静岡)

2013 「『春』を感じる6人の新進アーティスト作品展」 / ミッドランドスクエア(愛知)

2011 「表現された人物像」 / 安城市民ギャラリー(愛知)


受賞

2004 豊田トリエンナーレ準大賞

2003 GEISAI museum 銀賞

鈴木 孝幸

Takayuki Suzuki

1982 愛知県生まれ

2007 筑波大学大学院芸術研究科修士課程総合造形分野 修了


主な個展

2017 「川をさかのぼるいし place/leg」 / 板室温泉大黒屋サロン(栃木)

2016 「地図の中の穴 place/breath」 / Gallery HAM(愛知)

 

2015 

「資本空間 -スリー・ディメンショナル・ロジカル・ピクチャーの彼岸 vol.4 鈴木孝幸」 / gallery αM(東京)

「歩き方を忘れる place/cliff」 / Gallery HAM(愛知)


主なグループ展

2017 「AGAIN-ST 平和の彫刻」 / NADiff Gallery(東京)

2016 

「新・今日の作家展2016 創造の場所-もの派から現代へ」 / 横浜市民ギャラリー(神奈川)

「そこにあるもの(こと)/そこにないもの(こと)」 / 旧門谷小学校(愛知)

「アーツチャレンジ2016」 / 愛知芸術文化センター館内(愛知)

2015 

「中之条ビエンナーレ2015」 / (群馬)(’13、’11、’09も参加)

「見ることのかたわら」 / 旧門谷小学校(愛知)

「豊穣なるもの-現代美術in豊川」 / 豊川市桜ヶ丘ミュージアム他(愛知)

2014 

「4th Exhibition AGAIN-ST 置物は彫刻か?」 / 東北芸術工科大学(山形)

「Transfer Land 渡される(移される)土地(世界)」 / 旧門谷小学校(愛知)

「中之条/名古屋」 / Gallery HAM(愛知)


受賞

2009 第4回大黒屋現代アート公募展大賞受賞

名倉 達了

Tatsunori Nagura

1984 愛知県生まれ

2011 東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻 修了


主な個展

2016 「-Sight-見えない世界を生きてゆくために」 / COEXIST-TOKYO(東京)

2012 

「level」 / GALLERY NATSUKA&C−View(東京)

「○/—」 / Gallery零∞(東京)


主なグループ展

2017 「SICF18」 / スパイラル(東京)

2016 「そこにあるもの(こと)/そこにないもの(こと)」 / 旧門谷小学校(愛知)

2015

「Solid Forms」 / Gallery Jin(東京)

「石彫の現況2015」 / 宗教法人長泉院附属・現代彫刻美術館(東京)

「見ることのかたわら」 / 旧門谷小学校(愛知)

2013 

「前橋アートコンペライブ入賞作品展」 / ミニギャラリー千代田(群馬)

「物質と彫刻 —近代のアポリアと形見なるもの−」 / 東京芸術大学美術館陳列館(東京)

「+PULS:004 November side」 / スパイラル(東京)


主な硯の展示

2016 「第63回日本伝統工芸展」 / 日本橋三越他(東京他)(’15年第62回も入選)

2014 「現代の雄勝硯-新作展示会」 / みどり荘(東京)、遊狐草舎(京都)


主な受賞

2017 薮前知子賞 / SICF18

2016 日本工芸会奨励賞 / 第63回日本伝統工芸展

山口 諒

Ryo Yamaguchi

1990 長野県生まれ

2016 名古屋芸術大学大学院美術研究科美術専攻同時代表現研究 修了

現在 愛知県在住


展示・上映歴

2017 「Sky Over 4」 / アートラボあいち(愛知)

2016 

「そこにあるもの(こと)/そこにないもの(こと)」 / 旧門谷小学校(愛知)

「Focus Flowing」 / gallery MoMo(東京)

「アーツ・チャレンジ 2016」 / 愛知芸術文化センター(愛知)

2015 「Traffic Site 名古屋芸術大学同時代表現研究×東京藝術大学先端芸術表現科 交流展」 / 名古屋芸術大学 Art & Design Center(愛知)

2013 

「あいち卒展コレクティブ」 / アートラボあいち(愛知)

「境界線のptのはば」 / TRANSIT GALLERY(愛知)

2012 

「沈黙の彼女」 / 名古屋芸術大学 Art & Design Center(愛知)

「単純な多面」 / MATSUO MEGUMI VOICE +GALLERY pfs/w(京都)

2011  イメージ・フォーラム提携企画「映像の学校Ⅱ」 / 愛知芸術文化センター(愛知)

2010 「旧加藤邸アートプロジェクト 2010」 / 旧加藤邸(愛知)

大和 由佳

Yuka Yamato

http://yamatoyuka.com/

1978 愛知県生まれ

2001 武蔵野美術大学造形学部油絵科 卒業

2003 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程 修了

現在 埼玉県在住


主な個展

2015 「発話を忘れて <カザルスと母の巣箱>」 / Gallery HAM(愛知)

2014 

「第三回新鋭作家展・回游する線上で」 / 川口市立アートギャラリー・アトリア(埼玉)

「柄、杖先、新しい小径」 / 同時代ギャラリー(京都)

2013 「生物図鑑 15・杖先、新しい小径」 / ACID NATURE 乙庭(群馬)

2010 「未踏の土地へ」 / ニュートロン東京(東京)


主なグループ展

2016 

「地下光学」 / アートスタジオDungeon(東京)

「そこにあるもの(こと)/そこにないもの(こと)」 / 旧門谷小学校(愛知)

「ここにもアートかわぐち」 / 川口市立映像・情報メディアセンター メディアセブン(埼玉)

2015 

「DMZ Pilgrimage」 / South Korea DMZ Piece- Life Hill 他(韓国) 

「見ることのかたわら」 / 旧門谷小学校(愛知)

2014 

「COLLECTING TIME」 / Espace Cheminée Nord (スイス)

「ZUSHI ART SITE」 / 蘆花記念公園(神奈川)

「中之条/名古屋」 / Gallery HAM(愛知)

2013 「中之条ビエンナーレ」 / 丸伊木材(群馬)(ʼ 11、ʼ 09 も参加)

2012 「BIWAKOビエンナーレ」 / 旧中村邸(滋賀)

ENENT


◇周辺校児童によるワークショップ作品の展示

会期中、6名のアーティストの作品に加え、ワークショップにより制作した周辺校児童の作品も展示します。


◇ギャラリーツアー

9/9(土)16:00~16:40

アーティストによる解説を聞きながら作品を鑑賞します。


◇オープニングレセプション

9/9(土)17:00~19:00


◇大和由佳 <アルバースの洗濯> 

9/9(土)12:00~、9/17(日)11:00~、9/18(月・祝) 11:00~、

9/23(土・祝)11:00~、9/24(日)11:00~、9/25(月)11:00~

10/1(日)11:00~

場所:旧門谷小学校前の川、校門までの道

※天候により中止、または延期の可能性があります。

詳しくは作家ブログをご覧ください。

https://liontails.wordpress.com


◇アーティストトーク

10/1(日)13:00~16:00

旧門谷小学校のランチルームにてアーティスト自身による作品にまつわる話を聞きます。


※タイムスケジュールなど詳細は決定次第webサイトにてお知らせします。

ACCESS

  • 旧門谷小学校

    愛知県新城市門谷字宮下26 番地


    交通案内

    ◇車

    【新東名高速新城I.Cより】

    国道151号を約4km、長篠交差点を左折、県道32号を約7km、「鳳来寺」バス停脇の笠川駐車場より、鳳来寺山登山道方面へ徒歩5分

    【新東名高速浜松いなさI.Cより】

    国道257号を約13km、長篠交差点を右折、県道32号を約7km、「鳳来寺」バス停脇の笠川駐車場より、鳳来寺山登山道方面へ徒歩5分


    ◇電車・バス

    JR飯田線「本長篠駅」より徒歩1分の豊橋鉄道バスターミナルより「田口」行き乗車、「鳳来寺」バス停下車、鳳来寺山登山道方面へ徒歩5分

    ※バスの本数は非常に少なくなっておりますので、ご注意下さい

CONTACT

門谷小展覧会運営委員会

MAIL:info@kadoya-art.com

主催 : 門谷小展覧会運営委員会

後援 : 新城市、新城市教育委員会

LINK

Gallery HAM

www.g-ham.com

cafe爾今

nicon.blog.shinobi.jp/

名倉 鳳山

nagura-hozan.com